【私見あり】アラサーならNISAとidecoどっちにする?比較と解説

NISA

老後を迎えるまでに投資できる時間は、投資をはじめる年齢によって変わります。今回は老後を見据えた投資をはじめたいアラサーに向けてNISAとidecoどちらがいいのか比較してみたいと思います。

アラサーで投資未経験なら、まずNISAがおすすめ

これを読んでくれている方が投資未経験で迷っているのなら、まずはNISA口座からはじめてみることをおすすめします。

NISAとidecoの違いは下で詳しく比較しますが、ideco口座は「自分の年金を作るための制度」ということで、原則60歳まで資金を引き出すことができません。アラサーが投資をはじめる場合、60歳まで長い年月が残されています。万が一の事態や人生のイベントに備えて資金は自由に動かせるほうが安心です。まずはNISAからはじめて損はありません。

ゆる主婦
ゆる主婦

NISA口座は持たなきゃ損だけどidecoはどうなんでしょう

NISAとidecoを徹底比較

NISA口座とは?

2024年からはじまった「新NISA」には成長投資枠とつみたて投資枠2種類の投資枠が用意されています。今回はこの2種類のNISA口座とidecoを比較してみます。以下の比較表をみてみましょう。

NISA成長投資枠、つみたて投資枠、idecoの比較表

NISA成長投資NISAつみたて投資ideco
開始年齢18歳以上18歳以上原則20歳以上60歳未満
投資商品上場株式
投資信託など
一部投資信託投資信託
定期預金
保険商品
非課税限度額1,800万円
(うち成長投資枠は1,200万円)
1,800万円
投資可能額
(1年)
240万円120万円年間144,000円~816,000円
(職業や企業年金の有無で異なる)
非課税になる期間無制限無制限
引き出し
可能期間
特になし特になし原則60歳以降
手数料特になし
(商品により売買手数料が
別途ある場合も)
特になし
(商品により売買手数料が
別途ある場合も)
加入時・移換時の手数料/
2,829円(税込)
国民年金基金連合会/
105円(毎月)
運営管理手数料/
口座により異なる
税制の優遇運用した利益が非課税になる運用した利益が非課税になる掛金が全額所得控除される
運用した利益が非課税になる
受取時に公的年金等控除や
退職所得控除の対象になる
最低投資可能額特になし特になし5,000円/月~
支払いタイミング特になしつみたて設定による月払い・年払い

NISAとidecoの違い

上の表からNISAとidecoで大きく異なる点に注目して解説していきます。

①何歳からはじめられる?

NISAは国内在住の18歳以上がはじめることができますが、idecoは20歳以上の国民年金の被保険者が対象となります。はじめられる年齢と資格に違いがあるので該当される方は注意が必要です。

ゆる主婦
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NISAは18歳なら誰でもはじめられる間口の広さがいいですね

②投資できる商品は?

idecoは、投資信託・定期預金・保険商品の投資が可能です。つみたてNISAは投資信託だけですが、idecoは定期預金と保険商品も選べます。

ゆる主婦
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idecoには元本割れリスクのない定期預金もあるのが特徴です

③投資(掛け金)上限はいくら?

2024年からの新NISAは成長投資枠が240万円、つみたて投資枠が120万円の合計360万円になりました。idecoは個人の属性によって掛け金の上限が変わります。どの職業でいくらまで掛け金できるか?下の表をみてみましょう。

国民健康保険の加入状況対象になる人の例掛け金の上限(月)掛け金の上限(年)
第一号被保険者自営業など6,8000円816,000円
第二号被保険者会社員(企業年金に入っていない)2,3000円276,000円
会社員(企業年金だけ入っている)20,000円240,000円
上以外の会社員12,000円144,000円
公務員12,000円144,000円
第三号被保険者専業主婦(主夫)など23,000円276,000円
ゆる主婦
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上限と下限で掛け金上限がこんなにも違うんだ、、

④資金(掛け金)は自由に移動できる?

NISA口座の入出金はいつでも自由にできますが、idecoへ投資したお金は原則60歳以降でないと引き出せません。またidecoは原則、途中解約できません。失業しても一度契約したら払い続ける必要があります。途中で資産を引き出せるのは、高度障害者となり「障害給付」を受け取るなどの例です。

ゆる主婦
ゆる主婦

idecoはよほどの条件が揃わないと途中解約できないんですね。

意思に関係なくこつこつ貯まっていくのはいいけど、よく考えてはじめないと、、

⑤手数料はかかる?

NISAに必要な手数料はほとんどありません。商品によって売買手数料が必要になる場合がありますが、これも今はほとんどの証券会社が無料です。NISAは手数料も必要なく、利益も非課税になるとてもお得な制度です。

idecoは初期費用2,829円のほかに毎月拠出する際に105円かかりますが、年1拠出にすることで手数料を少し節約できます。

ゆる主婦
ゆる主婦

NISAをはじめるのは無料だけど、idecoには手数料が必要なんですね

⑥税制優遇の違いは?

NISAの場合

通常の一般口座・特定口座で投資をして利益がでたら、その利益に20.315%の税金がかかります。NISA口座はこの税金が非課税になる制度です。2024年の新NISAでは、無期限で運用の利益(分配金と譲渡益)が非課税、つまり20.315%の税金が0になります。

通常の投資口座=<10万円の利益>ー<20.315%の税金>=手元に残るのは<8万円の利益>

NISA口座=<10万円の利益>-<非課税>=手元に残るのは<10万円の利益>

idecoの場合

1.掛金が「全額」所得控除される

idecoは、掛金が「全額」所得控除されます。所得控除されると、課税所得が減るので投資したその年の所得税と次の年の住民税が軽減されます。ただしidecoを個人で口座引き落としなどしている人は、自分で「年末調整」か「確定申告」をして控除の申請をする必要があります。

idecoは年収や掛け金の金額で減税額が変わります。idecoをはじめる前に確認してみてください

2.運用した利益が非課税になる

idecoを使って、投資信託や定期預金で運用してでた利益や利息には税金がかかりません。NISAと同じで非課税になります。

3.60歳~の受け取り時に税制優遇される

idecoは原則60歳から「老齢給付金」として受取を開始できます。受け取り方は以下の3種類あります。

  1. 一度にまとめて受け取る(一時金)=「退職所得控除」
  2. 5年から20年と自分が決めた期間に分けて毎年受け取る(年金)=「公的資金等控除」
  3. 1と2を組み合わせる=各金額にそれぞれの控除

1.の一時金の場合は「退職所得」扱いになり、idecoで投資を続けた年数によって「退職所得控除が受けられます。2.の場合は「雑所得」になり公的資金等控除が受けられます。3.の場合は一時金として受け取る金額には「退職金控除」、年金として受給する金額は「公的年金等控除」が受けられます。

アラサーでidecoをはじめる場合、受け取りはかなり先の話になりますが上のような受け取り方と各控除があることを覚えておいてください。

⑦最低投資金額

商品によって違いますが、つみたてNISAは月1,000円からはじめられる商品もありますが、idecoは最低5,000円~となっています。

【まとめ】NISAの魅力は自由度、idecoの魅力は所得控除

NISAは誰でも等しく受けられる非課税制度であり、資金の拘束もありません。2024年から投資枠もかなり拡大されたので以前のようにNISA投資枠で損が出たらもったいない!と思うことも少なくなりました。NISA口座は使わないと損です。投資をしてみたいな、と思ったらぜひNISA口座を開設してみてください。

idecoの所得控除は収入が多い人には大変魅力です。はじめるのが早ければ早いほど大きく控除の恩恵を受けることができます。また個人事業主、フリーランスの方は掛け金上限の68,000円/月まで利用できるので該当する方は検討してみてはいかがでしょうか。

もちろん資金にゆとりがある方は両方開設して運用することで、所得控除も受けつつ資産を非課税で増やせるのでとてもお得ですね!

とはいえ、私はidecoは夫の会社でやれと言われた分しかやっていません。

やっぱり資金が60歳まで拘束されるのはデメリットだなーと感じてしまいます。子どももいるのでなおさら、、、いつでもお金を動かせるようにしておきたいです。あとはそんなに節税を意識しなきゃいけない個人事業主でもないですし、NISAだけでいいかなと思っています。